『きまぐれオレンジ☆ロード』は80年代に一世を風靡した作品。日本国内だけではなく、海外のアニメファンの間でもKORという通称で『うる星やつら』と並んでトップクラスの人気を誇っていました(ヘンなネタでは香港のレーザーディスク専門店で「鮎川圓」なんていう店名のところもありました)。
その後のアニメやマンガにも大きな影響を与えていますが、その中でフィギュアジャンルに与えた影響というのは格別なものでした。
『きまぐれオレンジ☆ロード』のヒロインの1人、鮎川まどかは当時水着を中心にフィギュアが多数発表され、『超音戦士ボーグマン』のアニス・ファームと並んで、美少女をどう立体化するかの造形表現を引き上げた美少女フィギュア黎明期の立役者だったのです。一方でフィギュアの版権方面でもいろいろあったキャラクターとして知られていますが……。
と、言ってしまえば美少女フィギュアのレジェンドキャラの1人として必ず名前があがる存在がこの鮎川まどかなのですが、以前から告知されていたりイベントで原型展示が行われていたBEACH QUEENSのデコマスがついに完成しました!
赤のビキニ姿の鮎川まどか。鮎川にはやはり赤がとっても似合います。原型はBEACH QUEENSをこれまでも多数手かげてきた小川陽三氏。
後ろ手には赤の麦わら帽子。物語のきっかけとなったキーアイテムですね。最初のポーズ案では手には何も持っていなかったそうですが、何か持たせようとなった時にやはりこれ、となったそうです。
80年代的なちょっと外ハネがある髪形。この独特の瞳の描き方も『きまぐれオレンジ☆ロード』ならではのものを再現していますが、最近のものとは方向性が違うのでなかなか苦労したとのこと。
抜群のプロポーションに、これも80年代を感じさせてくれるデザインの赤ビキニ。ヒモ部分の食い込みだったり、ビキニ右肩の浮いているヒモだったり、お尻部分にできたスキマだったり水着フィギュアならではの表現が見所です。
まだPVC完成品フィギュアという商品は存在していない時代の伝説的なキャラの水着が、最新のPVC完成品フィギュアとして登場するというのはひとつのエポック。それにふさわしく、このフィギュアはウェーブの担当者も原型師も徹底してこだわって企画・製作が進められたとのこと。これを手にするということはフィギュアの歴史そのものを手にすること、というとちょっと大げさかも知れませんが、とても感慨深い出来事なのです。
[colored_box color= yellow]TFC「BEACH QUEENS」シリーズ鮎川 まどか
『きまぐれオレンジ☆ロード』
1/10スケールフィギュア:全高約16センチ
原型:小川陽三
発売元:ウェーブ
価格:6,800円(税抜)
2016年4月発売予定
※写真は塗装見本品です。[/colored_box]
© まつもと泉/集英社・日本テレビ・東宝
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