7月27日に開催されたワンダーフェスティバル2025[夏]。いつものように、ワンダーフェスティバル実行委員会からいただいたデータや独自集計データ、個人的雑感を交えつつざっくりとした振り返り記事をまとめておきます。
なお、2024年[夏]と2025年[冬]についてのまとめはそれぞれのリンクで。
※特に記載がない場合は、ワンダーフェスティバル実行委員会のデータ
入場者数、ディーラー数
今回の入場者数は30,086人。前回は37,854人でした。例年冬から夏は参加者は減る傾向なのでいつものパターンです。ですが、1年前の夏は34,224人だったので、そちらからも12%程度減っています。
そしてディーラー数は1862。前回は2200なのでかなり減少しています。今回猛暑対策で1ホール館内が入場者待機に使用されているので、実際のディーラーの配置状況は変わっていません。
猛暑
入場者やディーラーが減ったということについては、最近の気候も大きな影響を与えています。そのあたりも少しまとめておきます。
この数年、夏のワンフェスの暑さは耐えがたいものがあり、ディーラー側でもその暑さ故にこの夏は参加を見送りますというところもけっこう見かけました。そのあたりもディーラー減に繋がっていると思われます。
以前、ホール間の通路は普通に大型の搬出入扉を開けて外気がそのまま館内に流れ込む仕様でした。昔はそこから風が吹き込んできて涼しく感じていたという記憶がありますが、この数年の暑さはそこから熱風が吹き込んで冷房が全く効かなくなるという状態になっています。
自分の記憶では一昨年は(それまでと同様に)大型の搬出入扉が大きく開かれた状態で全館大変な状況になっていましたが、昨年夏はホール間を繋ぐ通路にトンネルを設置して外気が入らないようになって少しマシに。ただ、コスプレエリアに出るために大きく搬出入扉を開いている箇所があって、そこから熱風が入ってくるので、その近くのディーラーは大変なことになっていました(グリズリーパンダ氏のディーラースペースもその状態)。
で、今年はそういった搬出入扉の開放を一切行わず、ホール間は全てトンネルで接続、外のコスプレエリアには普通の扉を使って出入りするような形になっていました。そのため空調はかなり改善されまていたようです。流石に人数が多い分午後も遅めになるとけっこう暑くなっていましたが。
なお、入場者への対応についても今回はかなり良かったというのが一般的な感想でした。冷房の効いた1ホールを入場待機場所に使い炎天下の行列を減らし、入場そのものもかなりスムーズに行われていたようです。
ワンフェス側も出来るだけの対応を進めており、今回はそれなりの効果が出ていたと感じました。
当日版権申請総数
続いて、当日版権申請総数について。当日版権申請ディーラー数でそれぞれの数字を割ったものを表に加えています。
2025年夏ワンフェス | 1ディーラー平均 | |
---|---|---|
予備申請総数 | 5471 | 5.31 |
本申請総数 | 4732 | 4.38 |
本申請許諾数 | 4600 | 4.26 |
これが、25年夏のデータ。なお、当日版権を申請したディーラーは1081でした。
なお前回、2025年冬は
2025年冬ワンフェス | 1ディーラー平均 | |
---|---|---|
予備申請総数 | 6446 | 4.79 |
本申請総数 | 5396 | 4.01 |
本申請許諾数 | 5221 | 3.88 |
前回の当日版権申請ディーラー数は1345。
ディーラー数が減っている分総数は減っているのですが、逆に1ディーラーあたりの点数は増加しています。
作品別当日版権申請数
25年夏の当日版権、作品別のリストは以下の通り。
作品名 | 予備申請数 | 本申請許諾数 | |
---|---|---|---|
1 | ウルトラマン(シリーズ合計) | 361 | 316 |
2 | ゴジラ(シリーズ合計) | 297 | 243 |
3 | ブルーアーカイブ | 244 | 202 |
4 | エヴァンゲリオン(シリーズ合計) | 207 | 149 |
5 | Fate(シリーズ合計) | 177 | 140 |
6 | ウマ娘 プリティーダービー(シリーズ合計) | 130 | 115 |
7 | 装甲騎兵ボトムズ(シリーズ合計) | 115 | 96 |
8 | アーマード・コア(シリーズ合計) | 110 | 93 |
9 | モンスターハンター(シリーズ合計) | 99 | 80 |
10 | ホロライブ | 116 | 75 |
11 | 艦隊これくしょん(ブラウザゲーム版) | 83 | 72 |
12 | THE IDOLM@STER(シリーズ合計) | 109 | 68 |
13 | ゼンレスゾーンゼロ | 82 | 67 |
14 | 勝利の女神:NIKKE | 75 | 61 |
15 | アズールレーン | 64 | 54 |
16 | ロックマン(シリーズ合計) | 57 | 53 |
17 | 宇宙戦艦ヤマト(シリーズ合計) | 65 | 53 |
18 | マクロス(シリーズ合計) | 59 | 49 |
19 | ELDEN RING | 49 | 45 |
20 | アークナイツ | 52 | 42 |
21 | 東方Project(シリーズ合計) | 50 | 40 |
22 | アリス・ギア・アイギス(シリーズ合計) | 44 | 37 |
23 | 原神 | 44 | 35 |
23 | ダンジョン飯(アニメ版) | 43 | 35 |
25 | 電脳戦機バーチャロン(シリーズ合計) | 40 | 34 |
26 | にじさんじ | 48 | 33 |
26 | 崩壊(シリーズ合計) | 44 | 33 |
26 | 葬送のフリーレン(コミック) | 41 | 33 |
29 | ガールズ&パンツァー(シリーズ合計) | 37 | 32 |
29 | ドロヘドロ | 36 | 32 |
今回も『ウルトラマン』シリーズが最多。さらに2番手に『ゴジラ』も入ってきています。そしてディーラー総数が減ってるにもかかわらず、いずれも申請数が前回並み(むしろ『ゴジラ』は増加しています)。特撮系の安定感、根強さを感じる結果になっています。
3番手には『ブルーアーカイブ』。フィギュアジャンルだけではなく同人誌など他ジャンルでも現在最も強いタイトルの1つに揚げられる作品が引きつづき美少女ジャンルの1番手。
そしてその次に来たのが『エヴァンゲリオン』シリーズ。今回は「エヴァンゲリオンワンフェス」がイベント内イベントだったためのランクインです。このイベントに併せて新作がかなり発表されていたのです。
以下若干の変動はありつつもおなじみのタイトルが並んでいますが、ディーラー数減もあって全体に減少気味のものが多め。『Fate』シリーズはけっこうな数減っていますが。
そんな中では『ゼンレスゾーンゼロ』と『モンスターハンター』あたりは新作であること、シリーズ新作がでたことの影響もあって伸びています。
『装甲騎兵ボトムズ』や『アーマード・コア』『艦これ』など、コアなファンに支えられているようなタイトルは、あまり数の変化はありません。
一方で『アリス・ギア・アイギス』と『原神』がかなり数を減らしていることが目をひきます。さらに、『ZOID』はランク外に(予備申請数44、本申請許諾数31)。このあたりは、毎回申請枠一杯に手続きしていたディーラーさんがいくつか出展していなかったことが影響しているのではとのことでした。
当日版権申請ディーラー数
参考として、当日版権申請をディーラー単位でまとめたのがこちらのデータ。1ディーラーあたりの許諾件数を出してみました。これは公式サイトのディーラー検索を使いホビーマニアックス独自集計でまとめた非公式のものです。詳細はこちらの記事も参考にしてください。
作品名 | 申請ディーラー数 | 1ディーラー 平均許諾数 |
---|---|---|
ウルトラマン(シリーズ合計) | 105 | 3.01 |
ブルーアーカイブ | 92 | 2.20 |
ゴジラ | 85 | 2.86 |
Fate(シリーズ合計) | 78 | 1.79 |
エヴァンゲリオンシリーズ | 71 | 2.10 |
ウマ娘 プリティーダービー(シリーズ合計) | 49 | 2.34 |
ゼンレスゾーンゼロ | 38 | 1.76 |
勝利の女神:NIKKE | 38 | 1.61 |
ホロライブ | 36 | 2.08 |
モンスターハンター | 34 | 2.22 |
THE IDOLM@STER(シリーズ合計) | 33 | 2.06 |
艦隊これくしょん -艦これ- | 31 | 2.32 |
アズールレーン | 30 | 1.80 |
装甲騎兵ボトムズ | 30 | 3.20 |
原神 | 23 | 1.52 |
マクロスシリーズ | 22 | 2.23 |
アーマード・コア | 22 | 4.23 |
アリス・ギア・アイギス | 20 | 1.85 |
崩壊シリーズ | 19 | 1.73 |
エルデンリング | 19 | 2.37 |
ダンジョン飯 | 18 | 1.89 |
アークナイツ | 18 | 2.33 |
機動警察パトレイバー | 18 | |
初音ミク | 18 | |
東方シリーズ | 18 | 2.22 |
ガールズ&パンツァー | 14 | 2.29 |
ロックマン | 13 | 4.10 |
葬送のフリーレン | 13 | 2.54 |
ゾイド | 13 | 2.38 |
エヴァワンフェス、いきものワンフェス
イベント内イベントは今回は2つ。
「エヴァワンフェス」内で展示されていた当日版権は56ディーラー、119作品(一部の『エヴァ』の当日版権はディーラースペースのみ)。かなりの数が並んでいましたが、30年経ったからこそ出来るさまざまな表現や造形が楽しめるものになっていました。
他にも『エヴァ』のフィギュアの歴史振り返りには過去の名作フィギュアが並び(そのコーナーの壁にあったまとめテキストは、10年前に自分が書いたものの流用。オリジナルはroute 2015にあります)、最新の一般商品等も展示・販売が行われ、かなり見どころの多い面白いものになって、会場もかなり盛況でした。
余談ですが、26年2月21日~23日には横浜アリーナでエヴァ30周年記念イベント「EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION」が開催予定。このイベントではプロ、アマチュアを問わず参加できる『エヴァンゲリオン』をテーマとしたオリジナル作品を出展する「ファンズマーケット」の場内開催が決まっていますが、ここではガレージキットも出展可になっているので、ここでも新作をかなり見ることが出来そうです。
一方、いきものワンフェスで展示されていたのは96組。さまざまないきものの造形が並んでいて、『エヴァ』とはまた違う方向性で楽しいイベントでした。
2026年冬はウルトラ怪獣ワンフェス
2026年冬のワンフェスは2月8日開催。イベント内イベントとしては「ウルトラ怪獣ワンフェス」が発表されています。2026年に放映から60周年を迎える『ウルトラQ』『ウルトラマン』をはじめとするウルトラマンシリーズとのワンフェスコラボ企画で、円谷プロ作品の劇中に登場するヒーロー・怪獣・キャラクター・メカニック・アイテムが対象。一部『ウルトラマン』シリーズ以外のタイトルもOKになっていますが、詳細は公式サイトで確認して下さい。
ワンフェス最初期は怪獣こそが主役でしたし、近年も安定して申請数が非常に多いシリーズだけに、改めてイベント内イベントとして開催されることでどんなことになるか楽しみなところです。
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