7月28日に開催されたワンダーフェスティバル2013夏。本サイトでのレポートはこれからおいおいおこなっていく予定ですが、ワンダーフェスティバル実行委員会から各種データをいただけたので、まずはそちらから見ていきましょう。
動員データ
総参加者数:47,285名
(=一般+ディーラー+招待者)
参加ディーラー数:1,866ディーラー
当日版権許諾アイテム数:3665
これが今回発表された数字。この総参加者数は過去最高だった前回の「2013冬」の51,266名からは4,000名弱減っていますが、その「2013冬」につぐ記録で、過去2番目の動員数になっています。
もともと夏のワンフェスは冬からは減る傾向にありますし、冬のワンフェスは翌日が祝日という日程だったためより動員しやすかったということを考えると、イベントとしての勢いまったく衰えていないことがうかがえます。
ディーラー数、当日版権許諾アイテム数は「2013冬」ではそれぞれ1,895ディーラー、3,610なのでほとんど変化はないと言っていいでしょう。
当日版権関係
申請希望件数:5191
本申請された件数:3964
許諾された件数:3665
これが今回の当日版権申請関係の数字。ちなみに前回は
申請希望件数:5009
本申請された件数:4035
許諾された件数:3818
こんな感じでした。希望件数は増え、本申請と許諾件数は減っています。許諾件数はこの何年もだいたい4,000件前後で落ち着いています。
以前は発表されていたキャラ別の当日版権数はシステム変更後は出なくなっていますが、スタッフの印象ではいつも通りだったとのこと。すなわち、
東方 シリーズ
初音ミク シリーズ
武装神姫
この3タイトルがいつも通り多かったとのこと。それに加えて,今回は
ガールズ&パンツァー
も多く、4強という印象だったそうです。
そしてキャラクター単体では
初音ミク
だったとのこと。
東方、ミク、武装神姫については、この何年も上位常連。作品の恒常的な人気の影響ももちろん大きいのですが、3作品とも当日版権についての条件が緩やかであるという共通点もあります。アニメは短期間で人気作が入れ替わるし、一般商品でもどんどん出てくる、さらに1回あたりに販売できる個数制限があったり、再版がNGだったり。この3作品はいずれもそのあたりの条件がやりやすいもの、個数制限がなかったり版権料がやすかったりしています。また人気についても長く続いています。
東方はキャラが非常に多いので分散しています(詳しくないとぱっと見て東方だと分からないキャラも多いです)し、武装はそもそもキャラクターというのは少ないので、そんな中でキャラクター単体としてはミクが多いというのも当然。出始めたころはパッケージイラストしかなかったものが、現在はProject DIVAや各種投稿曲によってコスチュームやバリエーションも多岐に亘っているため、フィギュアとしてのネタにも困りません。また、原型師やってる以上、一度はミクを作らなければ的な話もあるとかないとか(笑)。
そして、ガルパン。申請時期が最終回放送などで盛り上がっている頃であったことや、戦車というテーマがホビーとも親和性が高いということもあって予想通りの人気。ただ、いままでの作品と違って、1/35スケールフィギュアがやたら目に付きました。ミリタリープラモではおなじみのスケールで、1/35スケールの各国兵士のプラ製フィギュアも多数でているので、当然の連想。しかも価格も安めでワンフェスお土産にもしやすいということもあったのか、割とどこもはけていたというかんじでした。以前は小スケールというとピンキーストリートフォーマットのもの、最近は1/12スケールのfigmaや武装神姫などでつかえるサイズのものがはやっていましたが、今回はさらに小さくなって1/35なんだねぇという声も。
ワンフェス実行委員会以外の独自の当日版権システムでおもしろい動きを見せていたのが『翠星のガルガンティア』。ニトロプラスを窓口に、5月に申請受付、版権料は0%、コンテストで豪華賞品ありというものでした。5月だと作りたくても間に合わないという声もありましたが、それでも20点以上コンテストに出ていました。コンテストの結果はこちらで見ることが出来ます。
参考サイトや参考資料など
ワンフェスの入場者数の推移やその時々のトピックなどの過去データはワンフェスオフィシャルページの「これまでのワンダーフェスティバル」というところにまとまっています。第1回は60ディーラー、入場者2000人だったとか、データを見てるだけで楽しいのです。
ワンフェスの過去データがまとまっている本というのはありそうであまりありません。その中で唯一、現在でも手に入れやすくてこの10年くらいのワンフェスだいたいの動きが分かるのが「DOLLMASTER ぱられる」。井原裕士氏のコミックで、「DOLLMASTER」というマンガの番外編としてワンフェスレポートをしていたものの単行本化です。井原氏が会場で見て回って描いたレポートマンガに加えて、各開催のデータ&分析も掲載していますが、そのあたりは本サイトの中の人が担当しています。データがあるところは当日版権の具体的な作品別・キャラ別申請数なども合わせて掲載していて(地震の影響で各社が別個に版権を降ろした2011夏の独自集計個別データも)、大きなトピックもあわせて読めばその時々の状況が分かって興味深いかと。ちなみに、エスカレーター事故の件もマンガで載っていますが、本サイトの中の人はまさにその事故に巻き込まれてた口なので、その経験談もいずれまた本サイトで。
次回はどうなる?
次回、冬のワンフェスは2014年2月9日。予備申請が8月27日、本申請が10月15日になっています。
つまりはほぼ現在の状況から申請アイテムを決めないといけないわけです。
注目は前述の『翠星のガルガンティア』が冬ではどういう扱いになるかとか、各種大ヒット中の『進撃の巨人』あたり? でもそれ以上にどうなるか注目なのが『艦隊これくしょん~艦これ~』。
ネットでの注目度がこの数ヶ月でうなぎ登り、早くもモデグラで記事をやったりホビージャパンでフィギュア化の発表が行われたり、ホビー界隈でも最注目作品となっています。メカギミックもあるので、立体化難易度はそれなりにありますが、まず当日版権は降りるのか、降りたとしても条件はどうなるのか。8月25日発売のどっかのホビー誌で取材でもしてくれているとありがたいのですが。このように急激に人気が出て一般商品化申請も多数出ている場合、担当者が忙しすぎて当日版権には手が回らず降りないというのはよくある話ですし、角川ゲームスの作品だけに角川書店の再版NGになるのではないかなどいろいろ予想や推測も乱れ飛んでいます。こちらもいろいろ噂レベルとかいろんなところから聞いた話とか、ちょこちょこ情報はあるのですが、記事としてしっかり書けるほどの裏が取れてなかったり、ネタ的に書けなかったりという感じです。
それでいうと、10月の角川グループの大合併で各社の条件がどうなるかも興味深いところ。今の角川グループは、エンターブレインのように当日版権の条件が緩やかなところもあれば、個数制限があったり、再版NGだったり各社条件が異なっています。今回は変更なしなのか、条件が統一されるのか? いずれも今後の情報が出てくるのが楽しみでもあり、怖くもあり。
まだまだ勢いも続きそうで、いろいろとおもしろそうなこれから先のワンダーフェスティバル。どんなことになっていくのか、楽しみです。