2月10日に開催されたワンダーフェスティバル2024[冬]。ワンダーフェスティバル実行委員会からいただいたデータや独自集計データ、個人的雑感を交えつつざっくりとした振り返り記事をまとめておきます。
なお、2023年[夏]と2023年[冬]についてのまとめはそれぞれのリンクで。
※特に記載がない場合は、ワンダーフェスティバル実行委員会のデータ
入場者数、ディーラー数
今回の来場者数は37,650人。前回は34377人、1年前は約35000人だったので、着実に増加しています。
そしてディーラー数は2016。前回は1901でした。ディーラーは1ホール増えているのですがディーラー数の増加は100強。今回も通路やディーラースペースは比較的余裕を持たせた配置でした。なおこれまでの最大ディーラー数は、2019[冬]の2149です。
最近、TV番組などで海外からの参加者が話題になったりしていましたが、今回も会場を歩いてるとあちこちから外国語が聞こえてきていました。まだ、ディーラー側でも、特に中国からの参加がけっこうあった模様。
当日版権申請総数
続いては、当日版権申請総数の推移を見ていきます。今回、当日版権申請ディーラー数でそれぞれの数字を割ったものを表に加えました。こちらは当サイトの独自集計となります。
2024年冬ワンフェス | 1ディーラー平均 | |
---|---|---|
予備申請総数 | 6193 | 4.74 |
本申請総数 | 4757 | 3.64 |
本申請許諾数 | 4683 | 3.59 |
これが、24年冬のデータ。なお、当日版権を申請したディーラーは1306でした。
なお前回、2023年夏は
2023年夏ワンフェス | 1ディーラー平均 | |
---|---|---|
予備申請総数 | 5142 | 4.3 |
本申請総数 | 4155 | 3.47 |
本申請許諾数 | 3971 | 3.32 |
前回の当日版権申請ディーラー数は1197。
いずれの数字も前回から伸びていますが、特に予備申請はかなり多くなっています。1ディーラー平均でも、かなり高め。
そしてもうひとつ、今回本申請から実際に許諾されなかったのは74アイテムと、100以下。許諾率でみると98.4%となります。前回は95.6%だったので、これもかなり高い数字。
作品別当日版権申請数・許諾数
24年冬の当日版権、作品別のリストは以下の通り。
作品名 | 予備申請数 | 本申請許諾数 | |
---|---|---|---|
1 | Fate(シリーズ合計) | 287 | 228 |
2 | ウルトラマン(シリーズ合計) | 273 | 225 |
3 | ブルーアーカイブ | 310 | 215 |
4 | ウマ娘 プリティーダービー(シリーズ合計) | 213 | 167 |
5 | ゴジラ(シリーズ合計) | 170 | 123 |
6 | アリス・ギア・アイギス(シリーズ合計) | 136 | 117 |
7 | ホロライブ | 162 | 113 |
8 | 原神 | 139 | 104 |
9 | アズールレーン | 111 | 84 |
10 | 艦隊これくしょん(ブラウザゲーム版) | 103 | 82 |
11 | THE IDOLM@STER(シリーズ合計) | 90 | 74 |
12 | 装甲騎兵ボトムズ(シリーズ合計) | 79 | 71 |
13 | ZOIDS(シリーズ合計) | 79 | 61 |
14 | アーマード・コア(シリーズ合計) | 75 | 58 |
15 | ロックマン(シリーズ合計) | 64 | 55 |
16 | 勝利の女神:NIKKE | 74 | 53 |
17 | ガールズ&パンツァー(シリーズ合計) | 70 | 48 |
17 | にじさんじ | 59 | 48 |
19 | ELDEN RING | 64 | 47 |
20 | メイドインアビス(シリーズ合計) | 59 | 45 |
ここ数回、『ウルトラマン」シリーズが許諾数ではトップだったのですが、今回は『Fate』シリーズが上回っています。2位に『ウルトラマン』シリーズが入り、3位に『ブルーアーカイブ』が続きます。
『ブルーアーカイブ』は次項にあるように申請ディーラー数では最も多く、さらに予備申請数でも一番多くなっていました。ですが、本申請時に取り下げたディーラーがかなり多かったことが分かります。新しい人気タイトルということで、とりあえず予備申請はしたものの本申請まではしなかったディーラーが多かったという傾向のようです。
前回2位だった『ウマ娘 プリティーダービー』は4番手に。以下若干の変動はありつつもおなじみのタイトルが並んでいます。そんな中13位の『ZOID』と16位の『勝利の女神:NIKKE』、18位『にじさんじ』(ただ、前回は21位だったのでギリギリ)は前回20位以下だったところからのランクイン。特に『勝利の女神:NIKKE』は前回予備申請数27.本申請許諾数20だったところから2倍以上に増えています。
当日版権申請ディーラー数
以前も掲載しましたが、当日版権申請をディーラー単位でまとめたのがこちらのデータ。なお。これは公式サイトのディーラー検索を使いホビーマニアックス独自集計でまとめたものです。詳細はこちらの記事も参考にしてください。
作品名 | 申請ディーラー数 |
---|---|
ブルーアーカイブ | 122 |
Fate(シリーズ合計) | 121 |
ウルトラマン(シリーズ合計) | 79 |
ウマ娘 プリティーダービー(シリーズ合計) | 78 |
ホロライブ | 59 |
ゴジラ | 48 |
アズールレーン | 48 |
原神 | 45 |
アリス・ギア・アイギス | 43 |
艦隊これくしょん -艦これ- | 37 |
勝利の女神:NIKKE | 37 |
THE IDOLM@STER(シリーズ合計) | 34 |
こちらでは『Fate』シリーズと1差で『ブルーアーカイブ』が1位になっていたのが大きなトピックでした。作品別申請数と並べてみると、『ブルーアーカイブ』『ホロライブ』『勝利の女神:NIKKE』など比較的新しいタイトルは申請ディーラー数と作品別本申請の順位がずれている、ディーラー数に比べると作品別本申請数が少なめという傾向が見えます。これは、新しいタイトルだと再販アイテムが少ないのである意味当たり前ともいえそうですが。
24年夏は?
24年夏は7月28日開催予定。当日版権タイトルに関しては、現状では新たな話題になりそうなものは見えていないので、内部での変動はあるにしても今回と同傾向であると思われます。
ただ、24年冬の『北斗の拳』と同じようにイベント内イベントとして「東宝特撮ワンフェス」が発表されているので、東宝特撮系はこれまで以上に盛り上がりそうです。『ゴジラ』シリーズはもともと当日版権でもトップグループの申請数ですし、『ゴジラ-1.0』の大ヒット&アカデミー賞受賞でさらに注目度が上がっていますし。どんなものが登場するか、そちらも楽しみなところ。
造形イベントとしてのワンダーフェステバルは、世界的なブランドとして知名度も高く、近年は中国の上海と北京、タイのバンコクなどでワンダーフェスティバルの名を冠したイベントが開催されていました。さらに今年は韓国でも開催が決定。しかも7月末の日本のワンフェスに続いて、翌週にバンコク、さらに1週間後に韓国ソウルと、ワンフェスが3週連続開催という面白いことになっていて(参加するメーカーさんは大変でしょうが)、あらためてワンフェスの持つブランド力を感じました。
なお、近年『ブルーアーカイブ』『アズールレーン』『勝利の女神:NIKKE』のようにイベント以外で二次創作によるガレージキットの販売が認められる例も増えています。データから分かるように、だからといってイベントでの当日版権申請が減るわけではないようです。むしろイベントで見てもらう、告知で認知度を高めてあとで通販するという形も。完成品フィギュアとガレージキット、当日版権の関係はいろいろ状況が変わってきています。そのあたりもいずれ記事にまとめたいところ。
※追記
今回のワンフェスでは前回同様に会場全体を回って、『ブルーアーカイブ』『Fate』シリーズ『ウマ娘 プリティーダービー』の当日版権アイテムをできるだけ撮影してきました。ただ、今回は販売列や撮影列が長いところが多いなどタイミングも悪くなかなか思うように撮れていないところもありました。またあらためてこれらについては記事をまとめます。
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