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【Art of Figure Making】オーバーウォッチ、マックスファクトリーとfigma

MAX-0001第1回はマックスファクトリー企画部のI.G.坂井氏。figmaの『オーバーウォッチ』トレーサーを製作するにあたって、また、マックスファクトリー30周年についてもお話しを伺いました。

元の記事では坂井氏は本名で掲載されていますが、生ワンホビやTwitter等でおなじみの名前のほうで記載しました。
ブリザードエンタテインメント社のゲーム『オーバーウォッチ』は日本でも高い人気を誇りますが(日本ではスクウェア・エニックスから発売中)、海外での人気の高さは圧倒的。さまざまなユニークなデザインのキャラクターが登場するアクションシューティングゲームで、トレーサーはその中でも特に人気が高いキャラクター。figmaやねんどろいで彼女が発表されたときは海外で熱狂的な反応がありました。

―フィギュア業界で働いて何年になりますか? 何を担当していますか?

坂井:現在27歳で、新卒でマックスファクトリーに入って丸4年、今年で5年目になります。現在企画部でフィギュアの企画、版権元様との交渉、制作段階のディレクション、製造段階でのチェックなどゼロから商品を販売するまであらゆることに携わっています。

―フィギュア業界に入ったきっかけは?

坂井:もともとプラモデルを作ったりガレージキットを作ってワンダーフェスティバルに出ていたり、基本的に物作りが好きで、そういう仕事にかかわりたかったんです。最初はグッドスマイルカンパニーの面接を受けたんですけど、色々縁があってマックスファクトリーに入りました。

―仕事で大変なことは?

坂井:作品・キャラクターの“ポイント”となる部分がどこなのかを読み取り、商品に反映(造形面・仕様面共に)することがとても難しいです。知っている作品、知らない作品、どちらもリサーチしなければなりませんから。魅力と感じる部分も自分とユーザーさんでは違うこともありますので、そのキャラクターをもっと深く理解していかないといけないですし。

―やりがいを感じるのはどんなときですか?

坂井:やっぱり、ユーザーさんが喜んでくれた時ですね。付属パーツやギミックを発表したときに「これ分かってるね!」と喜んでくれたり、発売後にユーザーさんがこちらの想像を超えた遊び方でフィギュアのさまざまな可能性を見せてくれたり。そういうときは作ってよかったと思います。

―『オーバーウォッチ』トレーサーのfigma化発表時の反響はどうでしたか?

坂井:日本の方も海外の方もかなり反応してくれてました。(インタビュー時点では)まだフィギュアの画像は出していないのですが、もう次はこのキャラをやって欲しいという声も上がっています。

figmaトレーサーは現在発売中。

MAX-0002乾杯、愛しい人よ!  遂に登場だ!

―figmaトレーサーで苦労した点は?

坂井:髪の毛は独特な面の取り方なので、ゲーム中の印象を保ちつつどこからみても違和感なく立体化するのは難しかったです。

あと、figmaでこのサイズのゴーグルのキャラクターは今まで一度もやったことがなかったんです。サングラスのような面が平たい物なら問題はないんですが、スキーのゴーグルみたいに湾曲して膨らんでいるデザインなので、そのままだと中の顔が歪んで見えるんです。実際のメガネでも分厚いと目が大きく見えたり小さく見えたりしますが、figmaサイズだとちょっと変わると別物になってしまうので、その部分を計算しつつ造形して何回も目の塗装をやり直しました。

MAX-0003トレーサーのゴーグルと胸の装置はこのfigmaの真の見所!

―特に見て欲しいところはありますか?

坂井:胸のところの時間を巻き戻す装置はもともとのデザインも素晴らしいのですが、figmaではメタリック塗装のところとつや消しのところがきゅっと詰まっていて立体映えもするので見所になっていますね。ゲーム中で発光している青い部分はこのサイズでは実際に光らせるのは無理なんですが、クリアーパーツにちょっと特殊な塗装を施してちょっとボヤッと発光しているように見えるようにしています。

MAX-0004太モモ周りのベルトストラップは緩やかに取り付けられているので可動の邪魔をしない

―フィギュア業界や個人としての課題はなんですか?

坂井:フィギュアを買う人は増えているんですが、まだまだニッチな部分もありますし、フィギュア化されていることを知らないという人もいます。海外でもアニメやゲームは知っていてもフィギュアは買ったことがないという人もいるので、どうやってそういう方達にフィギュアの魅力を伝えていけるかが課題だと思っています。やはりfigmaは買って取り出して自分でポーズを付けて遊ぶアクションフィギュアなので、ポーズをつけるというのは慣れとか技術が必要ですしビギナーには難しい部分もあります。そういったハードルを取り除き、もっと親しみやすくしたいと思っています。

―今後やってみたいことは何ですか?

坂井:『マッドマックス』の大ファンで、もちろん昔の『マッドマックス』も好きなんですが『マッドマックス 怒りのデス・ロード』がもう本当に大好きなので、いつかfigmaを作ってみたいですね。それ以外にもやっぱり映画は好きなので、映画ネタや俳優、日本人も海外のムービースターもやりたいです。もちろん『オーバーウォッチ』も色々展開したいです。

 現在『オーバーウォッチ』のfigmaはゲンジも発表済みです

MAX-0005阪井氏自身も『オーバーウォッチ』のファンであり、この仕事は夢の実現化でもあるのだ

ここでマックスファクトリー勤続11年目の金子二等兵も登場。マックスファクトリー30周年について語ってくださいました。

MAX-0006マックスファクトリーはさまざまな30周年企画を 展開した

―マックスファクトリーの30周年について教えてください。

金子:マックスファクトリー30周年記念のウェブサイトにはこれから発表する予定の商品のシルエットを載せています。7月のワンダーフェスティバルではもっと情報を発表する予定です!

今年マックスファクトリーが30周年、来年はfigmaが10周年とちょうど重なっているので、今年のワンフェスではわりと古い商品だったり昔ながらの私たちらしい商品を提案して、来年のfigma10周年では未来に繋がるような商品を提案できればと思っています。また、海外ではマックスファクトリーの商品もグッドスマイルカンパニーの商品として見られていて、マックスファクトリーそのものはあまり知られていないと思うので、ぜひ海外のお客さんにもマックスファクトリーを知ってもらって、興味をもっていただけると嬉しいなと思っています。

 インタビュー時点ではまだ明らかになってなかったマックスファクトリー30周年関係、現在はすべてオープンになっています。→http://www.maxfactory.jp/ja/mxf-30th

MAX-0007

マックスファクトリーと坂井氏は、ゲーム世界のトレーサーを肩に描かれたT-01の文字までも含めて、こだわりを持って現実のフィギュアとして再現しました。このfigmaはトレーサーのファンなら必携!


インタビュアー: 瀬山隆祐
写真: 原哲也
翻訳元オリジナル記事:Art of Figure Making: Overwatch, Max Factory and figma

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