ホビー系セーラームーンの現在・担当者おさBUインタビュー

By on 2013年7月23日

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昨年放送開始20周年を迎え、新作アニメを含めて様々な新プロジェクトが展開中の『美少女戦士セーラームーン』。その後のポップカルチャーに与えた影響ははかりしれないものがあるこの作品、フィギュアというジャンルに与えた影響はいっそう大きなものでした(そのあたりは別記事で)。

現在展開中の20周年記念プロジェクトでもかなり早い段階でフィギュアが発表されていますが、それも可動フィギュアからというのが現在のフィギュアの状況が出ていて興味深いところです。

現在発表済のセーラームーン関係フィギュアは、バンダイコレクターズ事業部のS.H.Figuartsのセーラームーンとセーラーマーキュリー。7月頭にパリで開催されたJAPAN EXPOではセーラーマーズが、7月中旬のサンディエゴコミックコンベンションではセーラージュピターの原型展示も行われています。

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2013年5月の東京おもちゃショーでは、S.H.Figuartsセーラーマーキュリーの彩色見本品が初お目見えとなっています

最初にS.H.Figuartsセーラームーンの告知が行われたのは、2012年10月開催のTAMASHII NATION 2012。そのときはS.H.Figuartsに加えて、バンダイコレクターズ事業部のデフォルメフィギュアシリーズ、chibi-artsセーラームーンも展示されていました。いずれも参考出品ながら大きな専門コーナーを作るといういわば別格の扱い。Twitterでも大きな話題となっていました。

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TAMASHII NATION 2012での美少女戦士セーラームーンコーナーはこんな感じでした。

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デフォルメフィギュアシリーズのchibi-artsセーラームーンも参考展示されていました。

 

2013年4月下旬にはS.H.Figuartsセーラームーンが正式発表。5月1日からはバンダイコレクターズ事業部が秋葉原駅に構えるショールームや各ショップでの展示が行われただけではなく、秋葉原駅電気街口を出たところに大看板を設置、その本気具合をうかがえる展開をしていました。さらに7月頭からはセーラーマーキュリーも受注中。

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秋葉原駅電気街口をUDX側に出たところ、AKB48カフェの隣。アキバ中でももっとも目立つ場所のひとつ。ここにはいつも注目作の広告が出ています。現在はこの掲示は終了しています

ということで、今後フィギュアを中心としたホビー系の『美少女戦士セーラームーン』関係はどうなっていきそうか、原作コミックの担当者でありプロジェクトの中心人物でもある講談社の小佐野文雄氏にホビー系のことについていろいろと聞いてきました。小佐野氏は、おさBuという名前でセーラームーンファンにもおなじみ。現在はTwitterで公式最新情報も発信しています。→おさBUのTwitterアカウントはこちら

 

 おさBUに聞く、セーラームーンのホビー系の現在

おさBU

おかげさまでS.H.Figuartsセーラームーンシリーズは好調のようです。今はこういうアクションフィギュアが商品シリーズとして確立してるってあまりよく知らなかったんです。なので最初はちょっと小さいなぁとか思ったんですけど、表情替えたりとかパーツを替えたりとかしていろいろ遊べるというのが分かって、その辺おもしろいなぁと思いました。

S.H.Figuartsやfigma、リボルテックなどの新世代の可動フィギュアが出てきたのはこの5年くらいのこと。ですので、セーラームーンはそのタイプのフィギュアでは出ていません。セーラームーンだと、ガレージキットフィギュアの全盛時であり、後期になってカプセルフィギュアや固定ポーズのフィギュアが出ていたくらい。可動だと、ドールがありましたが、女児がメインターゲットでマニアックなものはありませんでした。

おさBU

このS.H.Figuartsセーラームーンですが、購入者は女性の比率が高いみたいなんですよ。小さくて飾りやすいから買いやすかったのかもしれませんね。
ポーズ付けたり表情変えられるのって、女の人が写メで撮ったりとかして遊べるなとも思っています。いわゆるライト層の方たちがこのフィギュアを使って手軽にスマホで撮影して自分の世界を作るみたいなのをできるじゃないかなぁと。
その写真もセーラームーンの世界観でイメージを作って撮るっていうんじゃなくて、たとえばラテアートで絵を描いているカップの脇にセーラームーンを立たせるとかそういうゆるい世界というか、ライトな女性の方たちの独特の写真世界みたいな感じ。Twitterとかでよく流れてきますよね。
でも、そういうのだと、戦士姿だけではなく制服版も欲しくなりますよね(笑)。戦士姿の外惑星戦士も含めて、全部出て欲しいですね。

今までいろいろ取材してきた感じだと、女性はねんどろいどなどのデフォルメフィギュアは好きでも、可動フィギュアはあまり買わないという印象があったので意外でした。これは次のコメントとも関連しますが、元々のファン層の大きさが違う、というのも影響していると思われます。
そういった女性層が中心のフィギュア写真、どんなものになるのか、ぜひ見てみたいですね。

 

 フィギュア以外の反響について

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東京おもちゃショーではコスメの展示も。

おさBU

プレミアムバンダイさんで発売されたコスメは見えない力が働いている感じがしました。ものすごい動きがあったんで。受注のサーバーもダウン寸前になってしまいましたし。このくらい反応があったら、このくらいの受注がくるっていう予想はバンダイさん側でもしていたそうなんですが、それを超える動きだったみたいでした。

『美少女戦士セーラームーン』の変身アイテムをそのままちゃんとした大人向けの化粧品にしたクレアボーテ。以前、プリキュアで同様の化粧品が出た際に、Twitter等でこれをセーラームーンで出して欲しい、という声がかなり目立っていたので人気はあるだろうと思っていたものの、ふたを開けてみると圧倒的。商品情報のRetweet数を見ても、女性は男性よりもRTする数が多いという傾向はあるとはいえ、ほかの商品が数十から数百なのに対して1万超え。これまでも人気が集中するアイテムを発売していたのでそれなりに耐性があるはずのプレミアムバンダイのサーバーがつながりにくくなり、サーバーを増強して臨んだ2回目の受注でも同様の状態になり、結局受注生産制になりました。

おさBU

他にもいくつか新商品を投入してきて、特に何がターゲット層にドンピシャなんだなぁっていうリードアイテムみたいなものが見えてきたっていう感じはしています。まず、昔の変身アイテムとかそのまま欲しいっていう要望があります。昔持ってたけど捨てられちゃったとか壊れちゃったとかあったので、今またそのまんまのものが欲しいっていう。そうでなければ今の技術とターゲット層を意識した新しいものが欲しいという需要もあります。大きくこの2つにわかれるかなぁと。一番まずいのは、今のものに昔の絵をそのまんま載せるっていうどっちつかずのものですね。工夫して今風のものにしないといけないと思っています。

 放送当時のセーラームーンのファン層は、メインターゲットである幼稚園から小学生くらいの女の子層と、大人の男性のマニア層があったのですが、20周年の今はその女の子が育った20代女性がメイン層になるわけです。マニア層が20年前の作品を懐かしむのとは意味がまるで異なります。一定の世代の男性にとってのガンダムのようなもの、魂にすり込まれているものと言えるかもしれません。

 

フィギュア的に気になる当日版権については?

おさBU

アマチュアのガレージキットフィギュアの当日版権は申請が来れば許諾させていただく事を検討しています。基本的には90年代と同じようにしようと思っています。ていねいにチェックできる体制でやっていきたいですね。

セーラームーンの当日版権ガレージキットフィギュアは一世を風靡し、その後のフィギュア造形に大きな影響を与えています。セーラームーンの一般商品が出なくなった後もしばらくの間当日版権は降りていたのですが、ある時期頃から降りなくなっていました。実際にどうなるかは、いろんな事情が絡むでしょうから予断を許さないでしょうが、また当日版権にOKが出るようならおもしろいところです。

セーラームーン20周年プロジェクトは始まったばかり。ホビー系に限っても、これからまだまだいろんな動きが出てきそうです。
いつものキャラホビだけではなくワンフェスにもバンダイコレクターズ事業部ブースがあるのでその展示も期待できそうですし、今後雑誌で特集も行われたりもするでしょう。
今後の動向にも注目していきたいところです。

関連リンク

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